アパレル販売員研修で実感した商品が売れない時代の到来
顧客の商品選択理由が「他と比べて安いから」という世界で戦うのは好ましくありません。
しかし、一般的な販売員がどれだけ思考レベルを高めたとしても会社として同じ土俵で戦っている以上はこのレッドオーシャンの中でなんとか頭角を現さないといけない。
アパレルの販売員研修で「この服はネットで買うのとどっちが安いですか?」と聞かれたそうです。
「え~~っ??」と思いましたが、そういう時代なんだな・・・と若干市場環境から出遅れ始めている私の頭のOSをアップデートするためにこれからアパレルクライアントの店頭でも月1回販売員をすることを決めました。
販売研修の内容の中で「競争が激しくなっていると思っている人?」と聞くと全員が手を挙げます。
・ネット企業
・ファストファッション
と、大きく分けて二つの存在が頭を悩ませているとのことでした。
つづいてこんな質問を投げかけてみました。
「自社商品は他社にはない強みがあると思っている人?」
答えは全員がYESだったのです。「うん、これはまだまだ市場で勝てるな」と私は直感で感じました。
会社で働く全員が自社商品の強みがないと判断したら厳しいですが、少なくとも現場が他店舗と比べて強みがあると思っているうちはまだまだ戦えます。
だから、あなたも一度スタッフの皆様に投げかけてみるとよいと思います。NOだとしたらかなりピンチです。
なぜなら差別化からは価格競争が生まれるからです。
価格競争の波から抜け出さないと未来はありません。
同じ商品がネットで安く買えるとしたらその時点でもう終わりです。
先ほどの質問に戻りましょう。自社の商品に強みがあると答えることがどんな意味を持つのか?
それは、差別化から脱却できる、ということです。
私はこれからの時代は「差別化」よりも「独自化」だと思っています。独自化するためには自社の強みを把握していることが一つの条件です。
「でも、ネットで同じ商品が安く買えるって・・・」と思うかもしれません。
しかし、自社商品に対する価値を理解していれば、顧客が認知しているあなたのブランド価値よりも高い価値を伝えることができますよね。ここが重要なのです。
購買意欲は「価値認識」から生まれる
最近私が販売員研修で伝えている大切なフレーズです。(今回特別にこの言葉をプレゼント!)
アパレル販売研修は自信を取り戻すのが何よりも大切
アパレル販売員は自信を失っています。
何をしても売れるような気がしない・・・接客してもどうせネットで買われてしまう・・・。
でも、本当はそんなこと全然なくて顧客は店頭で商品を購入してくれます。ただし、「付加価値」をつければ、の話です。
付加価値をつけられない(前項の”高い価値”)となると話は変わります。
誰よりもブランドを愛して、顧客が認知しているブランド価値、商品価値以上の価値を提供できればまだまだ店頭で商品は売れます。
では付加価値とは何か?
答えは簡単です、いつもやっていること。そう、トータルコーディネートです。
「何をいまさら!」と思うかもしれませんが、これまでのアパレル販売は顧客が欲しい商品を試着室に向かわせて「お似合いです」といえば売れる時代が長く続きました。
しかし、今はこのありきたりなマニュアルプロセスでは当然ながら売れなくなりました。(なのにほとんどのアパレル販売店がこのアプローチから抜け出せない)
販売スキル研修の中でも重点を置いているのが「トータルコーディネート力」の開発です。
ファッションセンスゼロの私は正直コーディネートする力はありませんが、顧客にコーディネートするきっかけを作るところまでは接客でもっていくことができるのでそこを教えています。
みんなブランドが好きだから全身ブランドに身を包んで誇りをもって仕事をしています。しかし顧客はTシャツしか買わないし、ブラウスしか買わない・・・わけです。
同じブランドで全身そろえたほうがもちろん統一感だって出るわけです。クライアントにはコーディネート力を高める研修を別途してもらい、私はトータルコーディネートにもっていくためのセールスプロセスを構築しトレーニングします。
結果的に客単価も上がり収益率が大幅に改善したアパレル販売店をたくさん作ってきました。
これからますます実店舗にはこの概念と販売スキルが必要になると確信しています。あなたの会社もそろそろ本気で始めませんか?販売員研修を。
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