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アパレル業界の店長研修完全ガイド|売上を伸ばすリーダーになる方法

interior of fashion store in shopping mall

アパレル業界の店長研修完全ガイド|売上を伸ばすリーダーになる方法

アパレル業界で成功する店長になるためには、適切な店長研修を受けることが重要です。接客スキルや売上管理、スタッフマネジメントなど、多岐にわたるスキルを習得することで、売上向上やブランド価値の強化が可能になります。本記事では、アパレル業界の店長研修で学べる内容と、実践すべきポイントをこれまでに4000回以上店舗ビジネス向けに研修・セミナー登壇してきた講師:成田直人が詳しく解説します。


アパレル業界の店長に求められるスキル

アパレル業界の店長は、単なる販売スタッフではなく、店舗のリーダーとして多くの役割を担います。ここでは、成功する店長に必要なスキルを紹介します。店舗経営においては当たり前の内容もありますが、包括的にスキルアップすることが求められる店長研修においては説明を省くことは得策ではないのでお付き合いください。

売上管理と数字に強くなる

  • 予算設定と売上目標の達成
    まずはじめに本社や経営陣から与えられる予算をどう達成するのか、具体的な1ヶ月間のプランニングスキルが求められます。無計画では日々一喜一憂し月末になると「やばい、なんとかして売上あげなければ」となりがちです。
  • 日々の売上分析と改善策の立案
    私の店長研修の一番の特徴でもあるPDCAが何よりも大切です。日々の売上分析や改善策の立案をすることで「達成できる感覚」がわかるようになります。これはPDCAを回した回数に比例するので毎日まわしていきましょう。
  • KPI(重要業績評価指標)を活用した店舗経営判断
    目標の中でもどの目標を一番達成しなければいけないのか?また指標を売上から接客数にずらすことで目標達成できる店舗もあります。どこに重点をおくかで売上は大きく変わるため常に現場スタッフの資質や社内文化を見極めながら設定することをお勧めします。

スタッフのマネジメントと育成方法

  • 店舗スタッフのモチベーション管理
    マネジメントスキルはトレーニングをしないと身につきません。多くの店長が独学であったり前任の店長や元上司である店長から受けてきたマネジメントを踏襲する習慣があります。必ずしもこの方法が正しいわけではありません。しっかりと体系的に年齢別・性別・役職別の関わり方(もちろん店長自身のキャラクターを踏まえて)を学ぶことが大切です。
  • 新人教育とスキルアップのサポート
    スタッフ教育をする店長からよく聞かれるのが「教えてもやってくれない・・・」という他責思考です。これはマネジメントをする上でも教育をする上でも大きな足枷となります。やはり、自分自身のスタッフとの関わり方に問題がある、教え方に問題があるというふうに捉える癖をつけることが第一であり、そこから自分自身の関わり方・教え方に課題を見つけて新人スタッフに合わせたトレーニング方法を確立していきましょう。
  • 効果的なシフト管理とチームビルディング
    店長が行う仕事の中でも最も嫌な仕事の一つが「シフト調整」です。チーム力が低いと、アルバイト・パートが自由にシフトを組み店長が不規則に働く必要が生まれます。これらはチームビルディングで解消することができます。具体的なスタッフとのコミュニケーション術を学び、チームを一つにしていきましょう。

ブランド価値を高める接客スキル

  • 顧客との信頼関係を築く接客
    当社の店長教育・販売員教育で大切にしているのが「店長が売れる」ということです。当然ながら店長はマネジメントスキル中心に学ぶべきなのですが、店頭に立つ店長のほとんどがプレイングマネジャーになっています。また、スタッフが急に欠勤になった時に店頭に立ち「最後は私が出れば売れる」というのは店舗マネジメントにおける砦であり安心材料になるために店長研修でも販売員研修同様の接客販売スキル向上のテクニックを習得していただきます。
  • リピーターを増やすための接客テクニック
    リピーターを増やすための接客で最も重要なのが「顧客感動」です。来店してから退店するまでの間にストレスがなく、店舗スタッフの属人性であったり、会社や店舗の持つ強みをもとに顧客感動を接客します。そして、この顧客体験を通して購買行動を作ることが大切です。そのための具体的な接客販売テクニックは習得必須です。
  • お客様満足度(CS)を向上させるコミュニケーション
    顧客とのコミュニケーションを苦手とする店長やスタッフは少なくありません。「なんで接客業入ったの?」と思うかもしれませんが、正確には全年齢対応ではない、ということです。どちらかというと自分自身と年齢が近ければその分会話が弾むけど、そうではない顧客層にはなかなか会話が続かない・・・などよく課題に挙がってきます。この辺りもコミュニケーション能力を高める(雑談力アップ)具体的な方法を学ぶことが大切です。

店長研修で学ぶべき3つのポイント

店長研修では、以下の3つのポイントが特に重要です。

リーダーシップとチームビルディング

  • 店舗運営におけるリーダーシップの役割
    店長が目標達成のためにコミットしていることが必須です。売上が勝手に上がる時代は終わり、売上を上げる努力が必要になります。沢山のチャレンジ(販促や接客のパターンなど)をし、改善を繰り返しながら「売れるパターン」をリーダーは確立することで繁盛店になります。
  • スタッフとの信頼関係を築く方法
    スタッフとの信頼関係を築くためには、私自身は3Sを大切にしようと伝えています。
    ・承認
    ・尊重
    ・賞賛

    です。一緒に働くメンバーがモチベーション高く働くためには前向きな言葉で関わることが欠かせません。
  • モチベーション向上のためのフィードバック手法
    フィードバック(叱ることも含めて)するにはコツがあります。それは、人格否定をせずに、行動を指摘することです。あなたは何をやってもダメね!ではなく、今回はこの行動が良くなかったねと行動を指摘しましょう。もちろん本人には何かしらの意図があったはずなので、意図を理解し、寄り添うことでフィードバックは最大限効果を発揮します。

売上を最大化するVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)

  • 効果的な商品ディスプレイの基本
    商品ディスプレイは基本的に本部施策として提案するのが一般的です。しかし、売上につながるのであれば上司や本部に自ら提案することがお勧めです。私自身も土日やアニメの映画初日は子連れば多く商業施設に来るため、その時に最適なペアルックの提案(ABCマートで働いていました)をしたりと売り場作りも1時間おきに変えていました。
  • 季節ごとのVMD戦略
    売場はできる限り短期間でテストを繰り返しながら季節に合わせた最適な売場作りができるようにPDCAを回すことをお勧めします。私がオーナーを務める琉球ソフトクリーム(アパレルと関係なくてすみません)も、週に1つは最低でも新商品が生まれます。そして、しばらくして数がでなければ下げる、というのを繰り返しています。そうすることで年間通しての売れ筋の確立や地域ならではの傾向がつかめます。
  • 店舗のブランドイメージを統一する方法
    ブランドイメージを保つことはとてつもなく大切です。例えば中華料理店で、いきなりロックが流れたら違和感を感じませんか?お客様が体験できる範囲の5感には一貫性を保つことが必須です。私も仕事やプライベートで毎日のように店舗に足を運びますが、「なんかズレてるな〜」と思うことが少なくありません。”1ブランド1メッセージ”、これを覚えておくと良いと思います。

顧客満足度を高めるカスタマーエクスペリエンス

  • 顧客ニーズの分析と対応
    顧客感動を生み出すことでリピーターが生まれるわけなのですが、これには緻密な戦略が必要になります。顧客のニーズは店頭での何気ない一言から販売データから見えてくる傾向含めて調査の対象になります。最近は防犯カメラを使って、「一度は手に取ったんだけどまた棚に戻した」などの未購買事案もデータで抽出できるようになりました。この辺りのデータを最大限活用して質の高い顧客体験を提供することが大切です。
  • パーソナライズ接客の導入
    顧客データを活用した接客販売はこれから主流になると思っています。今までは何を買うか、が重要でしたし、どこで買うかと変遷を辿りましたが、今は「誰から買うか」が購入の重要意思決定の一つになっています。来店した顧客を「顧客様(常連)」のように扱うことが求められています。私が体得したパーソナライズ接客の一つは会計がカードの場合は、必ずカードを返すときに「田中様カードのご提示ありがとうございました」と伝えるようにしていました。
  • 店舗とEC(オンライン)の連携戦略
    オムニチャネルがアパレル業においては定番となりました。当社でも過去に結婚式のワンピース(主に女性服)をレンタルするサービスで店頭とオンラインを結ぶサポートをしたことがあります。多くの未顧客がオンラインでリサーチをし決済、店頭で手厚いサービスを受ける(アップセルがあるが店頭決済ではなくオンライン決済となる)ということを求めていることがわかりました。なんとなく入った店舗でしつこく接客を受けるよりは、オンラインで品定めをして実際に店舗で試着をするサービスは今後のスタンダードになるかもしれません。

成功するアパレル店長になるための実践的アドバイス

売上目標を達成するためのデータ活用

  • POSデータを活用した売れ筋商品の分析
    先に説明をした通り、商品の販売データはかつてないほど活用しやすくなっています。ただの売上把握ではなく、「今」売れる商品や、「これから」売れるであろう商品の選定にも役立ちます。それは、日頃から「何をするのか」を自身である程度決めて店づくりをしている主体性が必須となります。そういう意味ではPOSデータも「いかにして売るのか」の意識があってこそですね。
  • 顧客データの管理とCRM(顧客関係管理)
    顧客データで当社が一番大切にしているのは来店感覚と平均購買単価、です。一般的客単価が高い人ほど来店頻度が高い傾向があります。ファンであるため他のブランドで購入する気が失せているのでしょう。これも何を・どこ、ではなく誰から買うかが為せる業となっています。顧客データを最適化させるためにも接客販売におけるファン獲得はセットと考えると良いでしょう。
  • トレンドを反映した商品戦略
    季節商品は賞味期限が短いため、仕入れ数が鍵となります。当たり前の話ですがあまりセールをしたくない、と思うのは全店舗経営者の願うところでしょう。当社でも商品仕入れに関してアドバイスする際は毎年取り合いになる商品は大きく積むので問題ありませんが、新商品などはまず1回転で様子を見る、売れるスピードが早ければ追加オーダーをしようとアドバイスをしています。帳簿上は同じ数が売れていても売れ行きが早い商品というのは展開次第で化けます。

SNSやオンラインマーケティングの活用

  • InstagramやTikTokを活用した集客方法
    SNSは店舗集客に欠かせないツールとなりました。当社でもSNS運用のサポートをしておりますが、アルゴリズムも理解するのは難しく(やはり若年層が強いです)、本件に関してはパートナー企業に依頼をしています・笑
  • ECサイトとの相乗効果を生む施策
    店舗で購入してもECサイトで購入してもどちらでも良い、という割り切りが店舗には必要だなと最近店頭に立つ上で実感をしています。例えば色違いで店舗で試着をしてオンラインショップに在庫があればそれを買う、というのが良いと思うのですが、店舗スタッフは「自店舗の売上にならない」という理由で無碍に扱ったり、あからさまに残念そうな顔をすることがあります。これは店長から指導をし、是正していく必要があります。
  • インフルエンサーマーケティングの導入
    店長研修でも研修中にリサーチをしてもらうことがあります。今後は、どのアカウントに広告案件を依頼することが良いのかをブランドをよく知っている店長に選定をしてもらうと思っています。本部管轄になるとどうしてもトレンドにオンタイムで対応することが難しく店舗はリアルタイムで情報をキャッチできるのと多くのスタッフがSNSを活用しているため、ヒントになる情報が多いです。

研修後に継続すべきスキルアップ方法

  • 定期的な勉強会やセミナーの受講は良いのか?
    当社の店長研修は基本的に毎月行っています。そのため、外部の他の教育研修・店長研修を受ける必要は特にありません。特段他者研修に参加することは止めることはありませんが、共通言語の統一化は早期浸透には欠かせないと個人的には思っているので、あえてはお勧めしません。
  • 店長同士のネットワーキングと情報共有
    これまで受けてきた1000回以上の店長研修で受講生は耳にタコができるくらい伝えているのが情報共有です。売れていない店舗は売れている店舗から情報を得る、これが多店舗展開の良い点だと思うのですが、売れない店舗の店長は全然動かないことが多いです。なので最初は強制力を働かせても相談してもらうことで視界が開けて「もっとはやく相談すればよかった」と口を揃えていうのでお勧めです。
  • 最新のトレンドや市場動向を学ぶ
    雑誌やオンライン情報、SNSの特定アカウントのフォローは必須です。かと言って、偏りすぎる情報よりは、他世代の情報を収集することで比較することができるし、ターゲット外の顧客が来店しても対応することができるのでお勧めです。何事もバランスよくが、鍵ですね。

まとめ

アパレル業界の店長として成功するためには、売上管理、接客スキル、スタッフマネジメントなど、多くのスキルが必要です。店長研修を通じてこれらを習得し、日々の業務で実践することが重要です。この記事を最後までお読みいただき、「早速これをやってみよう」と一つでも構いません。ぜひ行動に移してみてください。そうすることでうまくいくことうまくいかないことがわかり、課題発見や改善策に繋がったりするものです。ただの読み物としてではなくご活用いただけたら嬉しいです。

また、「ここまで全方位で店長研修してもらえるならぜひお願いしたい!」という方はお問い合わせをお待ちしています。