テナント(店舗)の考える力を奪う商業施設の盲点とは
商業施設に入っているテナントと、路面店の大きな違いを今日はお話しようと思います。
早速過激なタイトルを見て「おっ成田がモノ申すのか!」と思ったかもしれません。
今日はちょっと大事なことをお話しようと思っています。
そのきっかけになったのは、本田圭佑さんのツイッターから。
ルーティンなんてクソ喰らえ。って自分に言い聞かせながら考えて行動してる。
ルーティンは生産性も高くて心地も良いけど考える力が身に付かないから。
— KeisukeHonda(本田圭佑) (@kskgroup2017) 2017年11月10日
まさにおっしゃる通りですよね。
毎日同じことの繰り返しをしてしまうのが商業施設の中のテナントです。
なぜなら、一番肝心となる集客の努力をしなくても、館がお客様を集めてくれますから。
もちろん、店頭でのレイアウト(VMD)を変えたり、POPをつけたりしながら来店してくださったお客様に購入してもらえるように努力をしています。
しかし、ベースの集客は館が握っている以上、売れなければ
という一言ですべてが片づけられてしまうのです。これが一番のリスク。
誰もこの言い訳を言われてしまうと深く反省させられる言葉が見当たらない。
いつでも逃げ道があるのが商業施設なのです。
そして、その最たる例がシャッター街と言われている商店街ではないでしょうか。
以前クライアントの紹介で商店会(商店街の人が集まる会議)に参加させてもらいましたが、
と、愚痴だらけの会議で何のために行われているのかわからない様子でしたが。
最終的には、
と言い出す人まで。
とがっかりしました。
その点クライアントは毎年業績を伸ばし続ける経営者で環境に左右されない強い心がすごいなと実感しました。
集客とは、お客様を集めるだけではなく、強力なファンにすることでもあります。
路面店の店長はいつも、
と常に考える癖があります。
なぜなら、誰かが(例えば館)集客をしてくれるわけではないからです。
ある程度来店が見込める商業施設であれば黙っていても来店してくれるので1人の接客に対する熱意は路面店と比べてはるかに落ちます。
路面店はその店に行くことだけを目的に来るので顧客も高いニーズを持っているため、ニーズを満たすための高い接客力と売り場づくりが求められます。
その分集客数は減少します。
ついでに店によるのとは違うため初回の来店時に満足・感動させられなければ二度と来店してくれないリスクを抱えています。
これが店長の危機感を育てる良い環境となります。
私は仕事柄両方とも行きますが、路面店の店長の方が総じて高い危機意識を持っていると実感しています。
と、何を今回言いたいのかというと
商業施設でも集客は「自分たちでするんだ」という覚悟が必要
商業施設は沢山のお客様が来店するため安定した各店舗への集客がある分、一人のお客様への熱意が低いというのは仕方ないことだとも思っています。
かくいう私も東急百貨店に入っているABCマートで働いている時(1階)は、
と思ったほどです。
お客様が来店してくださることに対する感謝の気持ちが薄いというか、今思うと感謝が足りなかったなと思うこともあります。
しかし、商業施設は栄枯盛衰が激しく、最近は近隣に沢山の商業施設ができてきて、必然的にパイの奪い合いになります。
次第に集客が落ちてくるとこれまでのように来店して下さるお客様への対応で精一杯で考える力をつける暇もなく日々過ごしてきた分、ダメージが大きいのです。
考える力をつけずに、業務や仕事をこなす感覚(まさに本田圭佑さんのルーティーン)でしていると館の集客と相関関係の売上になります。
そして、売上が下がれば集客がなかった、という愚痴が止まらないのです。
しかし、繁盛店は違います。
先ほどのすたれてきた商店街の中でも年々成長しているクライアントのように売上を上げる方法はいくらでもあります。
商業施設で働く店長はもっと危機感を自らの意思で持ち、(商業施設の集客はオープン日をピークに次第に落ちていくものとして考える)
日々の営業で来店してくださるお客様1人1人をファンにするために高い接客力・店舗運営力を身につけるよう指導に励んでいきましょう。
そうすれば多少館の集客が落ち着いても安定的に売上を上げることができます。
なぜなら、ついで買いではなく、あなたの店をめがけて館に来館するからです。
各店が沢山のファンで溢れる店を作ることができれば、例え古くなったとしてもお客様が途絶えない売れる商業施設としてブランドを築くことができると思っています。
この結果を作るためにも余談ですがモールマネージャーに期待することが一つあります。
それは、制限が多すぎるのが商業施設の特徴なので、店舗に裁量権をある程度持たせることをお願いしたいですね。
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