人材不足の原因はとてもシンプルである
そもそもなぜ人手不足が深刻になるのか。このことに真剣に向き合う店舗経営車は少ない。なぜなら、店頭で働くスタッフを大切な人材と捉えることはなく、「コマの一つ」と考えているからです。
わかりやすい例がスタッフ向けの研修や勉強会をやる会社はとてつもなく少ないです。なぜだと思いますか?
理由は、いつ辞めるかわからない人に人材投資はできないから、だそうです。この時点でスタッフのポテンシャルを望んでもいなければコマの一つとしてしか受け止めていないんだなと話を聞くと毎回実感します。
と、まぁ今日は企業の考え方について話をしたいのではなく、なぜ人材不足になるのか?根本原因について話をします。
私がこれまで10年間小売・サービス・飲食業で10万名以上と接点を持ってきて一番これだな!と思うことは、コミュニケーションの不一致にあります。
もちろんベースとなる時給が低いことや勤務のしにくさ(休みたいときに休めない)も離職の要因になりますが、です。
それでも待遇よりも組織内のコミュニケーションの不一致は大きなストレスになるし、離職の慢性的な理由になり得ます。まだまだボスマネジメントが強い小売・サービス・飲食業は課題が沢山あります。
いかんせん効率とコストダウンでこれまで売ってきたので、システム・仕組み重視のため全然人材が成長していないところが多いのが現状なのではないでしょうか。
しかし、当社クライアントを見ても時給も他の店と変わらない、むしろ安いところも沢山ありますし、コンサルに入って最初は現場に負担がかかっても誰一人辞めない会社ばかりでした。反対に、人がいつまでたっても入ってこない、という店もありますよね。
人手不足が深刻で毎日安心して眠れない店長や経営者もいらっしゃると思います。
それでもなんとか営業をしなければいけない、そんな中申し訳ない気持ちで他のスタッフに頭を下げてなんとかシフトに入ってもらうように交渉する毎日。
なんとか打開したいということで当社に連絡を頂けたオーナーさんは今人材も安定し超高収益店舗を量産しています。
今でもクライアントに当社へ依頼を頂いた時のことを振り返って「あのとき勇気を出して問い合わせして良かったですよ。ほんとに・・・」と先日あるオーナーに言われました。嬉しかったですね。この社長も1年前まではどん底でした。
営業利益も赤字、スタッフも次から次へと辞めていく有様でした。
まるでずっと出血が止まらなくて貧血だけではなく命も危なくなるほどの状況だったのです。
そこで、すぐに伺って状況を見て唖然としました。
それは、事務所は汚い、シフト管理も店長のやりたい放題、店内でのコミュニケーションも命令口調は当たり前、お客様の前でも切れる、というコミュニケーションにおいては何一ついいところがないほどひどかったのを今でも覚えています。
この会社では人材教育をしたことがないためモラルの低い人材がこのカオス状況を作り出していました。地元がヤンキーで沢山だった小学校中学校を思い出しました・笑
人手不足の大部分はスタッフを一人の大切な従業員とは思えないコミュニケーション環境にあると私は実感しました。
スタッフは大切にされていることを実感できない時点で店に見切りをつける。
なぜなら、勤務先は選びたい放題だからだ。
人材不足で一番打撃を受けている業種は小売業
様々な業界を担当し、一番人手不足に悩んでいる業界は小売業だなと実感します。
続いて飲食業です。小売業の中でも人手不足で深刻な状況に陥っているのは商業施設内に入っているテナントです。
理由は、営業時間の長さと365日無休にあります。特に中でもアパレル業界は人手不足です。
私も若い頃は遊びたかったので、土日の片方は休みにしたい、突然入る友人との旅行や遊びには行きたい、という今しかできないことに焦点が当たっていました。
まさに多感な時期、ですね。そのため、アパレル業界は平均年齢も若く、ファッション全般に敏感な分思うようにシフトに入ってもらうのが難しいという特性があります。
いかに仕事のプライオリティ(優先順位)を上げてもらえるかが生命線になるのではないかと思います。
これも店長と販売員の間に良質な人間関係(良いコミュニケーション)があればある程度融通してもらうことができます。
飲食店でも正社員集まらず定休日を設ける店もある
はじめは大手の牛丼チェーン店だけの話だと思っていたのですが、実際に当社に依頼があったのはローカルの定食屋チェーン。
ここ3年で慢性的な人手不足に陥ったということを聞きました。いまこの会社はほぼ全店舗で人手不足だったのですが、現在は1/3まで改善されました。
この会社の店舗がそれぞれ大きいため、年に10店舗ほどしか私が担当できない、というのもあります。
あと3,4年で全店舗超高収益店舗になることでしょう。例えば採用のフリーペーパーを例にあげましょう。
前は採用広告を打てば人が沢山入ってきてくれた、とのことでした。
しかし、今は閑古鳥。これは私の体感値ですが、おそらく求職者は一度店に足を運んでいる人が多いのではないかと思います。
「おい、●●なにしてんだ!こっち手伝え!」という声が日常から飛んでいました・笑
私もコンサルに来た当初はランチ中(この店でランチしてました)にこの一言を聞いて思わず、人手不足が深刻なのも理解できました。
もし、私が求職者でこの光景を見たらどうなるか。
どれだけ採用広告スペースが大きくても、みんな楽しそうに働いている姿を見ても全く響かないでしょうね。
さらにSNS。最近ではツイッターなどで店の評判を調べたり、食べログの批評欄は特に見ると聞きます。
そうやって広告に踊らされることもなくただ本当の姿を受け止めて電話をせずに違う会社に問い合わせをする、ということなのです。
問い合わせがない理由は紙媒体の採用広告を見なくなったとか、そんな短絡的な理由ではありません。
問い合わせをするプロセス自体がリアルを体感してからとうい求職者も失敗したくない心理が便利なツールと実際に来店をすることで体感しているのです。
採用がうまくいっておらず離職が止まらずに困っているのだとしたら一度お問い合わせください。相談にのります。
早く手を加えないと大変なことになりますよ。かつてのように情報浸透度が急速になったからこそ、時間差で準備できる時代ではありません。
即断即決即行の精神で動かないと傷口はどんどん広がります。
今すぐ社内コミュニケーションを見直し、従業員満足度(ES)を見直していきましょう。
顧客満足度を上げてすぐに売上アップ!と躍起になる気持ちもわかりますが、一度従業員に目を向けて業務改善してみませんか。
社員とアルバイトが会社のファンにならなければ、お客様がファンになることはない
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