飲食店が人材不足で閉店するのはES(従業員満足度)が低いから
飲食業のコンサルティングや各種研修を請け負う仕事をしていて改めて実感したことがあります。
それは、やっぱりキツい!ということ。
少ない人数でギリギリで店舗を回し、人件費を抑えて回転率重視で店を運営するスタイルの店が多いです。
よく考えたら無茶ですよね。
顧客に1円でも安く提供したい!という顧客満足目線は理解できますが、そこで働くスタッフのことを今一度考えて欲しいなと思います。
先日私のクライアントは1年間に及んだ定休日をようやく解除することができました。
それはそれは嬉しかった反面、飲食業の闇を垣間見た私は「これは人手不足になるよね」と現場を見て実感しました。
色々と飲食業界はネガティブなことが言われていますが、まだ今の時代にあったマネジメントができていないことで大切な人材を失っているように感じます。
なぜ、人手不足に陥っているのか、一言で言えば間違いなく「ES従業員満足度」が低いから、です。
表題の通りですが、仕事量が増えて低賃金、さらには休みがとれないとなると敬遠されてしまうのも無理はないかと思います。
(ちなみに、私の知る飲食業の仲間や店舗はESはとても高いです。だからよけい仕事として受けたときに衝撃が走りました)
たしかに、ちまたの飲食店でも繁盛しているのは280円均一居酒屋やハッピーアワーで生ビール300円など、低価格低利益なので、回転率やオーダー数で勝負しなければいけない風潮があります。
アルバイトの人手不足の原因はハードな環境を目の当たりにする顧客
採用広告を出しても人が集まらないと嘆く店舗経営者はとても多いです。
私も仕事柄多くの飲食店に足を運びますが、人が足りていない店と足りている店の違いは環境にあるのですが、目の当たりにした顧客は「この店では働きたくないな・・・」と実感するでしょう。
この余波は本人だけの問題ではなく、それこそSNSで公開されることも多々あります。
にしても飲食店でこの時間1人勤務ってきつそう
— たねだ (@taneda_zero) 2018年6月15日
と、評判は一気に広まります。
例えばこういったツイートを見ると、どうなるのか?
飲食店はきつそう(´;ω;`)
私バイトどこにしようかなぁ…— のなは旅に出ます(低浮上) (@kuroneko_0403ru) 2018年6月8日
と、そもそも飲食店でアルバイトをするという選択肢がなくなることに繋がります。
今紹介したツイッターの方も本音だと思います。
それは本人が実際に飲食店に足を運んですさまじい現場を体感すれば「無理」となるでしょうし、こういった評判が飲食業界すべての印象に繋がりそもそも選択肢に入らない、という結果になります。
とても残念ですが、これが現実です。
先日クライアントの受講生(おそらく55才くらい)の娘さんが「飲食店でアルバイトしたい!と言ってきたのでダメだ、絶対!!」と言ったそうです。
理由は何か?と聞いたら、普段から飲み会で色んな飲食店に行くが、そこで娘が働いていることを考えただけで反対意見しか出てこなかった、とのこと。
色んな意味を含んでいるなと思いましたが、これ以上突っ込んで聞くのは辞めました。
飲食業=キツい
というのは、周りの評判を聞いてそう思った、実際に店に足を運んで無理だと思ったと両面からダブルパンチで選択から漏れます。
深刻な人手不足を解消するには働く人が笑顔になること
今後飲食業が人手不足解消するためにやるべきことは人材に対する見方です。
多くの人手不足の飲食店は
人材=オペレーション担当
となっています。
これではもう人は集まりません。これまではそれこそ若者のアルバイト・フリーターの選択肢が「小売・サービス・飲食業」と制限されていたのですが今は選択肢が増大したことで選ばれにくくなりました。
では、今のアルバイト・フリーターが何を求めているのか?
それは、「創造性」です。
言われたことをこなすだけのオペレーションではなく、クリエイティブな仕事をすることを望んでいるのです。
実際に私が飲食業のクライアントで定休日がある状態から定休日解除になった一番の理由は「仕事」が変わったからです。
今までは言われたとおりのことをこなしていたところから、「この店で何ができるか?」と新しい役割が与えられたことが大きかったと思っています。
もちろんいきなりこんなことしちゃダメですよ、ただでさえ忙しい中「創造性」の話をすると「さらに仕事が増える」と誤解されてしまうからです。
段階を持って創造性を発揮できる環境を作ることで、スタッフは少しずつ集まってきます。
働く一人一人がやりがいを感じると自然と笑顔が増えますし、プライベートでも変化を感じる友人が増えます。
「なんか最近楽しそうだね?バイトの話も前はつまらないばかりだったけど、最近めちゃくちゃ楽しそうだね」と話題にあがるようになります。
そこでアルバイトも創造性について話をすれば「俺も働きたいな」と共感が生まれます。
まずは一緒に働く仲間が何を仕事に求めているのか?」大半は創造性と述べましたが他にも沢山あると思います。
まずはそのヒヤリングをしていき、一緒に形にしていくことが大切です。
ぜひES(従業員満足度)を高めて人手不足を解消していきましょう。
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