ダメ店長になんで私が・・・元トップ販売員が陥るワナ
私は店長研修中に「今の課題は何ですか?」と冒頭にワークを設けることが多いです。
なぜなら、この中で仕事ができて、トップ販売員でマネジメントが下手な店長を発掘するためです。
元トップ販売員が鳴り物入りで店長になったものの鳴かず飛ばずの売上で、モチベーションが落ちている店長を見かけることがあります。
「うちの店は全然・・・」という言葉が口癖でうまくいかない現状にとても悩んでいます。しかし、一つだけ素晴らしいのは絶対に人の責任にしないことです。
「自分の力不足で・・・」「自分が変わらなければいけない・・・」と言ってる姿を見る度に「大丈夫、すぐに店の売上上がるし悩みがなくなるから」と励まします。
この手の店の特徴は、店内でも相変わらず売れているのは元トップ販売員の店長だけです。他の販売員は店長の足下にも及ばないという散々な結果であることがほとんどです。
bが店長になるとなぜこのような結果になるのか?理由は店長研修のカリキュラムでも時間を設けて伝えるほど大事なのでここでも伝えます。
それは・・・「当たり前の基準が高い」からです。
店長の役割を考えてみましょう。店長に求められる要素は「売る」ことではなく店の目標予算を達成することですよね。
しかし、自分ばかりなぜ売ってしまうのか。それは売り方を教えられないからです。さらに状況は悪いことに、従業員間コミュニケーションもボロボロで、部下に対するパワハラにちかい成果要求で離職率も高い店になっている、なんてことはよくある話です。
私がこれまで担当した会社で売れていない店長の中で、意欲はあるのに売れていない店の多くはこの状況に陥っており、すっかり店長は自信を失っているように見えます。
この手に陥った店長を見ていると人ごとではない・・・といつも思います。
私も学生時代にアルバイトとして売場責任者を担当したときに、契約社員に対して「売れないなら在庫整理でもしていてもらっていいですか?」と生意気ながら言っていました。
私の方が売れるので、契約社員のメンバーは文句一つ言いませんでしたが、チームとは全く呼べない殺伐とした雰囲気の中毎日働いていました。
(あ~怖い怖い・汗)
この時は精神的にも余裕がなく(売上を作らないといけないプレッシャー)、売上達成のために毎日自分一人だけがんばっているような気にさえなっていました。
この時にふとわれに返りなんでこんなことになってしまったのか・・・とふと考えました。
今でも10代でこのことに気づけたことは大きな教訓になっています。
「自分一人でがんばっているなんてエゴでしかない」ということです。
自分が周りよりもがんばっていると思い込んでいるだけで、みんな程度の差はあれどがんばっています。
店長からみたらまだまだかもしれませんが、皆がんばっているのです。
その姿を受け入れる度量が必要です。みんなあなたのように何でもかんでもパーフェクトにこなせない、ということを受け入れることが大切です。
このことに気づけないとすべてが「だらしない」「やることをやっていない」と見下すようなコミュニケーションになり、店長についていけない販売員(スタッフ)が続出するのです。
店長はどうあるべきか。これまでは自身の影響の及ぶ範囲で、どうしたらもっと売上が上がるのかを考えれば良かったのですが、自己完結していた毎日からチームを作る側に回ると自身でコントロールできないことが増えてきます。
人には心があるため、言われたことも解釈が異なります。あなたは成長のために!と思っていったこともパワハラになったり・・・とマネジメントに苦戦をするのです。
そこで一つ捨てる勇気が必要な事柄があります。それは・・・
させることです。
業務をさせること
残業させること
接客をさせること
など。
本人の意思とはそぐわない行動強要は離職の原因になります。可能性を潰すのでやめた方が良いです。
これまではオペレーション主体の店舗経営でしたが、もう時代も変わりました。仕事の選択肢がアルバイト・パートだけではなくなり、フリーランスで稼げる人も増えたため自分がイヤになったらすぐに店を辞められる状況です。
働きやすい環境を創るためにも「強制」を排除した店舗運営を構築することが大切です。
なおさら店長の存在が重要なのが理解できてきたのではないでしょうか。
今こそ店長とスタッフ(販売員)の関係性を見直すべき
店頭スタッフは自分なりにがんばっている、という前提を身につけたらコミュニケーションを変える必要があります。
今までは押しつけたり、できなければ叱りつけたりと厳しい視点でコミュニケーションを取ってきたかもしれません。
しかし、これは全くと言っても良いほど効果がありません。
むしろ販売員はどんどん自分ことを追い込んでしまい、店のことも会社のことも嫌いになってしまいます。
ここで大切なのは、同じ目線になってコミュニケーションを取ることです。
店長が一番偉い!店長に従うのが部下の役割!という古くさいマネジメントを卒業し、部下の縁の下の力持ちに店長は成長しなければいけません。
自分だけがどれだけ頑張って売れても、気分が良いのは店長だけです。販売員やスタッフは成功体験を詰めずに怒られる毎日に辟易しています。
リーダーからサーバントへ
私は元トップ販売員店長にサーバント(奉仕)になりなさいと伝えています。
そして、一人で売るのではなく、売る技術を身につけられるようにトレーニングをし、目標達成をサポートしてくださいと言います。
明確なルールがあります。
1.無理強いしない
2.店長と同じようにできなくて当たり前
3.辛抱強く・我慢すること
4.部下の生産性が引くても自身の教育不足と受け入れる
5.人格否定しない、間違った行動を指摘して一緒に解決する
これとても大切です。メモメモ!!
元トップ販売員で現在トレーナーをしている私も同じ轍を踏みました。
変わるなら今です。
あなたと同じようにすべてのことができないからこそ、一緒に寄り添って教育をする忍耐力が必要です。
諦めずにがんばっていきましょう。
私の店長研修は私が元トップ販売員ですが、わかりやすいと好評です・笑
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