店長研修のカリキュラム作成よりも設計が重要なワケ
「成田先生はどうやって店長研修を創っているのですか?」
と、当社クライアントが質問をしてくれたので(内製化するための質問)、ここでも私の回答を共有したいなと思います。あるアパレルの店長研修で人事部が私の店長研修を少しずつ内製化したい!ということで最初に話したことが「設計図」の描き方です。
店長研修は実施することが目的なのではなく、目標達成することが目的です。
つまり、講師が頭の中で必ず良い店を創ることができる!と心からワクワクできるプランであることが大切である、ということです。
何事もそうですが事前準備の段階で結果の8割は決まります。気合いと根性は当日の2割で、それまでの店長研修の設計がお粗末ではどれだけがんばったところで失敗に終わります。それほど事前準備は大切です。
店長研修の設計図を描く上で大切なのが「受講生の問題をどれだけ把握できるか?」が挙げられます。これは妄想ではなく、実際に確認することが大切です。
12年間で10万名以上研修をしている私も定期的に現場ヒヤリングをしています。なぜなら仮説だけで仕事をしていたら確実に誤差が出てくるからです。私の知る課題感とクライアントの抱いている課題感にズレが生じては研修価値は半減します。
もしあなたが店長研修を自社で実施するのであればまず最初にやらなければいけないのは現場ヒヤリングです。
「店長研修を設計する上でヒヤリングをすることが大切なのはわかった。いったい何を聞けば良いのか?」と思うでしょう。雑談です、と言うわけにもいかないので3ステップでお話します。
1)相手の心が開くオープニングトーク(雑談)
2)本音を引き出す質問(「何でも解決できると言われたら何を会社に要望する?そして、自分自身の課題は?」)
3)会社と自分自身に期待を持たせる宣言をする
この3つがカギとなります。
店長研修開催に向けた準備をセットアップと呼んでいるのですが、このセットアップでいかにラポール(信頼関係)を築けるかが成功の一つの指標になります。
私は外部の研修講師なので細かくヒヤリングをする時間を取ることができませんが、内製化を目指すのであれば絶対にやるべきです。外部の研修講師がやるべきことと内部の研修講師がやるべきことは事前準備の段階では大きく変わります。
それこそ両親と学校の先生との差と言えば極端ですがわかりやすいかもしれません。講師と受講生がわかり合える関係を創る、ということが重要です。
店長研修のカリキュラム作成で重要な設計図その2
続いて店長研修の設計図創りで重要なお話をします。
それは、「自分自身に期待をすること」です。「私は必ずこの受講生が変わるに十分な講師でありコンテンツを提供できる」という自信の形成です。
自己概念が低いと自信を失い声も小さくなり迫力がなくなり受講生に素晴らしいことを言っても態度のせいで全く伝わらない、という悲惨な結果になります。
だから、必ずできる!という高い自己概念が必要なのです。
これは外部内部関係なく講師を務める以上、受講生とのパワーバランスに屈しない強い精神力が必要になります。ただでさえ複数名の前で話すことに緊張したり、受講生の態度が自分の理想とはかけ離れた態度でも動じない精神力が求められることは間違いありません。
良くないのは受講生にパワーバランスで負けると「研修をこなす」という目的からかけ離れた研修で終わってしまいます。もっと具体的に説明しますね。
受講生の態度が悪い、何を話しても反応がない、思っていた雰囲気と違う・・・と頭で反芻すればするほど「このままで大丈夫なのかな・・・」と迷いが生じて何を話しても反応がさらにないと心が折れて「いいや、とにかく早く終わらせよう」とこなす発想になってしまうのです。
精神面を鍛えるためにも「絶対にこのコンテンツならいける!」という強い思いが必要なのです。だから事前準備の段階で8割の結果が見ているというのはそういう意味です。
受講生の課題解決に直結する研修だ!という自信が形成されるまで細かくヒヤリングをすること、そしてコンテンツを作成しそのコンテンツに誰よりも自信を持つこと、この二点が欠かせません。
店舗革命を起こすためには誰よりも強い心を持つことが大切です。革命者はいつでもマイノリティなのですから。
店長研修も同じです、店長に向けて研修をするということ自体がほとんどの会社で行われていないわけです。事前準備を重ねて会社を激変する店長研修へと繋げていきましょう。
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