これからの小売業はどうなりますか?の質問への私の答え
とても残念だけど、確実に市場規模は縮小する、これは間違いないと思っています。
小売業はそもそもコスト構造が他業種に比べて圧倒的に高い。
それこそアマゾンにコストで勝つことはおそらく永遠に不可能だと思います。
とはいえ、店舗でしか体験できない(5感で感じられる)体験価値は価値がなくなることはありえないとも思っています。
結局どっちやねんという話ですが、店がなくなることはない、しかし縮小することは間違いないと思っています。
経済が右肩上がりで需要が供給を上回っていた20世紀は店舗を増やせば増やすほど売上が伸び続けてきました。しかし、もうそんな時代は一生やってきません。
もともと顧客はほしい商品があっても「場所」が理由で購入できなかったり、種類が少ないことで生まれる価格不均衡で高額すぎて購入できなかったりしていました。
しかし、それらすべての不満はアマゾンが解決してくれました。
供給過多になり、商品はコモディティ化されつつあり、価格comをはじめ最安値を探して購入する文化も完全に出来上がりました。
つまり、顧客が欲しい商品を売るには場所や種類、さらには最安値にしなくては選ばれなくなった、ということです。
これまでは顧客に情報がありませんでした。
だから、店側の都合を押し付けられ操作されていた側面もあったと思います。
それこそA店とB店はどこが安いのか?は足を運べばわかりますが、今はネットですべて解決してしまいます。
私も懐かしい思い出があります。初めてのパソコンを買うのに、地元の量販店と横浜までわざわざ足を運び当時の地域最安値で購入しました。
しかし、ここにかけた時間と電車を乗り継ぐコストや体力は馬鹿にできないほどかかった記憶があります。
今の検索エンジンに商品名と価格と入れれば価格comがあなたに代わって何もかも調べつくしてくれます。
顧客が情報を持ったことで完全に立場は逆転しました。
これから確実に店の数が減るのは 「顧客が情報を持ったこと」さらには「コモディティ化によりネットに価格や利便性で勝てない」ことが理由です。
これからの小売業が生き残るためにやるべきことは?
では、これからの小売業は成すすべがないのか?と言われるともちろん答えはNOです。
しかしながら競合がインターネットになった時点で勝つことは難しいです。冒頭でもお話しましたがコスト構造ではネットに分があるからです。
私もいろんな企業のコンサルティングや今日いう研修に携わってきましたが、BSPLを見ても「実店舗はマジでしんどいな」と思うほどネットに比べるとコスト高になります。
さらに、ビジネスモデル的にシステムに落とし込むことが難しいですよね。まだまだ人力が必要な業界です。人手不足に陥ると物理的に閉店に追い込まれるリスクがあります。
と、ネガティブなことしかないように感じますが、圧倒的な強みが二つあります。この強みはインターネットではAI(人工知能)が人間の創造性を手に入れるまでは無理だと思っています。
まずはじめに前提条件があります。
・コモディティ化しない
・意思決定に時間を要しない
それは、価格で勝負をしないということです。つまり、コモディティ化から完全に卒業することが条件です。
そしてもう一つ、縦割りの組織から横並びになることで意思決定に時間を要しないということです。
この二つの前提条件のもとお話をします。
実店舗が生き残る2つの圧倒的な強みとは?
この二つをお話する前に実店舗の役割はこれから変わります。
今まではほしい商品を購入する場所だったのがほしい商品以外の商品も購入につなげる工夫が必要です。これを一括りにすると「ワクワク感」を作り出すことです。
ワクワク感は店頭でしか作り出すことができません。誰もアマゾンから届いた箱を見てワクワクすることはないですよね。業務のように箱を開けるだけです。
ではこのワクワク感を作り出すためにはどうしたらいいのか?
圧倒的な強み① リアルタイムアドバイス
電話と直接会うという関係性はこれから先も直接会うことが価値が高いし正確に情報が伝わることは間違いないでしょう。
スカイプが登場してもなんか違和感を10年近く感じているということは直接会って触れ合うことほど情報が確実に伝えられる方法はないんだと思います。
そういう意味では直接プロの販売員と会える場というのはこれからも価値が高いと予想しています。
ここで前提条件になるのですが、お客様との会話でわかった「顧客にはこんな商品が必要だ」とプロ販売員の視点から気づいた商品やサービスは翌日には店着、もしくは顧客の自宅に送れる体制を整えることが重要です。
上司に承認を得る、なんていう時代遅れな組織構造から脱却することが求められます。もたもたしていたらせっかく価値ある情報を伝えて店頭で買ってもらえるチャンスがあったのに情報だけ持ち逃げされてあとでネットで買われてしまいます。もったいない。
販売員が店頭において一番の権限を持つ組織構造に切り替えていきましょう。
圧倒的な強み② 顧客の創造を超える販売員の存在
これからは「お客様のほうが詳しいんで・・・」というくそみたいな言い訳は排除しなければいけません。
お客様のほうが情報を持っているという時点で販売員の必要性はゼロとなります。つまり、店はいらない、ということになるわけです。
顧客に来店してもらうためには、常にお客様よりも情報を持ち迎えることが重要です。
そのうえで顧客が欲しいと思っている商品以上の提案をすることができればOKです。
そうすることで顧客は販売員のファンになります。そして、ここからがポイント!
自分で調べるくらいならこの販売員にずっとお世話になればよいと特定の商品の学習をやめさせることがポイントです。
そうすることで顧客はほかの店を選ぶ選択肢がなくなりあなたの店を常に選び続けてくれる、ということです。
以上です。
これからの小売業が生き残るためには今日の話はとても重要だとということを覚えておいてほしい。
あなたの店舗にわざわざ行く理由を作るのはどんどん難易度が高くなります。だからこそ、顧客に飽きられないようにワクワク感を作り出せる店づくり、接客をしていきましょう。
言われたことだけをこなすだけの仕事の仕方は卒業しよう。
そうすればあなたの店はこれから先もずっと残り続けることを約束します。
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